水虫(白癬)の情報サイト
監修/帝京大学
名誉教授 渡辺 晋一 先生
水虫クイズ
「水虫はかゆいもの」と思っている人は多いですが、実際には、水虫でもかゆみなどの自覚症状のないケースのほうが圧倒的に多いのです。趾間型水虫(しかんがたみずむし)、小水疱型水虫(しょうすいほうがたみずむし) も初期はかゆくありません。角質増殖型水虫(かくしつぞうしょくがたみずむし)、爪白癬(つめはくせん)にはかゆみはありません。
第2問
手の爪と足の爪、1ヵ月に伸びる長さは同じである?
個人差はありますが手の爪は1ヵ月に3mm、足の爪は1ヵ月に1mm伸びるといわれます。つまり新しい爪に生え変わるには、手の爪で半年くらい、足の爪で1年はかかる計算になります。爪白癬の治療には爪が生え変わるだけの時間が必要です。
第3問
年齢が高くなるほど、爪白癬(つめはくせん)の発症率が高い?
足白癬は年齢とともに増加しますが、爪白癬はより顕著に増加します。高齢になり足や爪に水虫が生じたと思われる方は、一度皮膚科を受診して、爪白癬の有無を検査してもらうとよいでしょう。
第4問
皮膚科医師は、水虫の診断をするときには、白癬菌(はくせんきん)がいるかどうかを顕微鏡で確認する?
水虫の診断は、病変部位に白癬菌がいるかどうかが決め手になります。そのため、皮膚科医師は、顕微鏡を用いた検査(直接鏡検)を行って白癬菌の有無を調べることがあります。夏場に症状が強く現れて、冬場に少し落ち着く場合には、水虫である可能性が高いですが、その場合でも、症状だけで診断することはできません。
第5問
次の爪の写真A Bのうち、爪白癬はAである?
A
B
実は、AもBも爪白癬です。Aは爪が白や黄色に濁っている例、Bは爪がボロボロとくずれてきている例です。爪白癬の症状としては、他にも、爪が厚くなることがあります。ただし、爪白癬は皮膚科医師でもみただけでは爪白癬と診断できません。
第6問
「みずむし」という言葉は江戸時代に登場した?
「みずむし」として登場するのは江戸時代のこと。式亭三馬によって書かれた『浮世風呂』のなかに出ています。当時は糠(ぬか)の油をとって、薬にしていたようです。田んぼ仕事をする季節になると足にポツポツとした水疱ができ、それがかゆく、水の中にいる虫が悪さをしたと思われて「みずむし」という名の由来になったといわれています。
第7問
水虫(白癬)が医学的に研究され始めてから300年になる?
水虫(白癬)の研究は1890年代に欧米で始まりました。白癬菌が最初に発見されたのは1893年のこと。日本では1918年に太田正雄が、現在"白癬菌"と呼ばれているカビをはじめて分離したのが始まりです。水虫は医学的に研究され始めて100年ほどになります。